はじめに|なぜ「結婚したい」のに満たされない気持ちが続くのか
「結婚したいのに、なぜか気持ちが満たされない——」 そんな違和感を抱えながら婚活をしている女性は、少なくありません。
出会いの場に足を運んでも、「ピンとこない」「何かが違う」と感じたり、 やっと交際が始まっても、「本当にこの人でいいのかな?」と迷いが拭えなかったり。
自分では“結婚”を望んでいるはずなのに、心のどこかが落ち着かず、 誰かに「あなたが必要だよ」と言ってもらえないと、不安で仕方がない。 ——そんな揺れを感じていませんか?
その気持ちは、とても自然なものです。 けれども、それが過剰になってしまうと、婚活がどんどん苦しくなっていきます。
結婚=支え合う関係なのに、なぜ「満たされたい」が先に来てしまうのか
結婚は本来、ふたりが対等に支え合っていく関係のはずです。 「私があなたを支え、あなたも私を支える」—— そんな、お互いを思いやる循環の中で育まれるもの。
けれど、実際には「満たしてほしい」「安心させてほしい」「必要としてほしい」と、 “与える”よりも“求める”気持ちのほうが先に出てしまうことがあります。
それは、愛を欲しているから。 そして、「誰かに認められて初めて、自分の存在に価値がある」と 信じてしまっているからかもしれません。
自分の中にある、相反するふたつの気持ち
「幸せになりたい」と「愛されたい」は、似ているようで少し違います。
“幸せになりたい”は、内側から湧く願い。 “愛されたい”は、外側からの評価や承認を求める気持ち。
どちらも悪いものではありません。 でも、後者ばかりが強くなると、恋愛や結婚の目的が 「誰かに必要とされるための手段」になってしまいます。
そうなると、どうしても相手の言動に一喜一憂し、 「認めてもらえていない」「ちゃんと愛されていない」と感じて不安になるのです。
「結婚したい」と願っている自分と、 「誰かに必要とされたい」と強く望む自分。 このふたつの気持ちが、心の中でせめぎ合っている状態こそが、 婚活中の“モヤモヤ”の正体かもしれません。
誰かに認められないと、不安でたまらない
たとえば—— ・相手の返事が遅いと「嫌われたかも」と不安になる ・予定が合わないと「私の優先順位が低いのかも」と疑ってしまう ・LINEがそっけないと「もう冷められた?」と焦る
これは、恋をしている女性なら誰でも少しは経験があることです。
けれど、その度に心が大きく揺れたり、自信を失ってしまうとしたら、 それは「相手に自分の価値を決められている」状態。
本来、自分の存在価値は、自分で感じ取れるもののはず。 けれど、“必要とされたい”という気持ちが強すぎると、 その判断をすべて他者に委ねてしまいがちです。
その結果、相手が少しでも冷たく感じた瞬間、 「自分なんてダメだ」「私は愛されない」と自己否定に傾いてしまうのです。
それでも「結婚したい」の本当の意味とは?
では、そんな不安や承認欲求を抱えながらでも、 私たちが「結婚したい」と思うのはなぜでしょうか。
それはきっと、 “誰かと人生を共有したい”という深い願いがあるからです。
ただ「必要とされたい」だけではなく、 「自分も誰かを大切にしたい」「一緒に日常を育てていきたい」と思っているからこそ、 結婚を望む気持ちは消えないのではないでしょうか。
だからこそ、まずはその“根っこの気持ち”に気づいてあげることが大切です。
そのうえで、「満たされたい」「必要とされたい」気持ちを 恋愛の相手にすべて委ねるのではなく、 自分の内側で少しずつ育てていくことで、 “愛されること”と“愛すること”のバランスが整っていきます。
次章では、その「必要とされたい」という気持ちの出どころを、 もっと深く見つめていきましょう。
“結婚したい”と“誰かに求められたい”は、同じじゃない?と思ったあなたへ
第1章|「必要とされたい」気持ちは、どこから来るのか
恋愛や婚活の場面で、「必要とされたい」「愛されたい」という感情が強く出てくることは、決して珍しいことではありません。でも、その気持ちが強くなりすぎると、うまくいくはずの関係さえも、どこか息苦しいものにしてしまうことがあります。
では、この「必要とされたい」気持ちは、どこから来るのでしょうか?
幼少期の“役に立つ子”としての成功体験?
たとえば、子どもの頃に「いい子でいなさい」「人の役に立つことが偉いこと」と言われて育った経験はありませんか?親や先生から褒められるたび、「自分は役に立っているから価値がある」と思い込むようになっていく。
Aさんは小さい頃、両親が共働きで忙しかったため、弟妹の面倒をよく見ていました。そんな姿を見て周囲の大人が「偉いね」「よくできるお姉ちゃんだね」と褒めました。褒められることが嬉しくて、Aさんは「もっと人の役に立とう」と一生懸命頑張りました。大人になった今でも、無意識に「誰かに頼られること」「人の役に立つこと」に価値を感じ、そのために自分の気持ちを抑え込んでしまうことがあります。
その結果、自分の感情や欲求よりも、誰かにどう見られるか、どう評価されるかに重きを置くようになってしまう。そして大人になった今でも、「私は誰かの役に立てている?」「必要とされている?」と、常に他人の基準で自分を測ってしまうのです。
他人軸で評価されてきた人生
社会に出てからも、「褒められる人になる」「期待に応える人になる」という意識が強い人ほど、無意識に“他人の目”を基準に行動しがちです。それが職場であれば“評価”や“実績”という形で報われることもありますが、恋愛や婚活の場では、そううまくいきません。
なぜなら、恋愛は「選ばれる」ことだけで完結しないからです。選ばれた先に、ふたりで関係を築いていく“対等なプロセス”がある。でも、「自分は役に立っているか」「必要とされているか」にばかり意識が向いていると、相手の存在が“評価者”になってしまい、自然な関係が築きにくくなってしまいます。
心理学では、これを「他者承認欲求が強い状態」と呼びます。他者からの評価や承認がないと自分を肯定できず、常に「見られている自分」「評価される自分」を意識するため、自然体での関係性が難しくなるのです。
「愛される=必要とされる」になっていないか
ここで一度、自分の恋愛観を振り返ってみてください。
「自分はどんなときに愛されていると感じるのか」
その答えが、「頼られたとき」「感謝されたとき」「自分がいないと困るとき」ばかりだとしたら、それは「必要とされることでしか、自分の価値を感じられない」というサインかもしれません。
たとえばBさんは、交際相手が困ったときにいつでもサポートできるよう心がけていました。ある日、彼が問題を自分で解決してしまったとき、「自分はもう必要ないのか」と深い落ち込みを感じました。このように「愛される=必要とされる」価値観が強いと、相手の自立を喜べず、逆に不安を感じてしまうことがあるのです。
孤独や不安を埋めたくて恋愛・婚活をしていないか
「必要とされたい」という気持ちの裏側には、実は“孤独”や“不安”が隠れていることがあります。
寂しいから誰かにそばにいてほしい。
傷つきたくないから、肯定してくれる人がほしい。
例えばCさんは、一人暮らしを始めて以来、寂しさから頻繁にデートを重ねていました。連絡が途絶えるとすぐに不安になり、「私の何がダメだったの?」と自分を責めました。結果的に相手からは「重たい」と思われ、なかなか長続きしない状況が続きました。
このように、孤独や不安からくる行動パターンは、本人にとっても相手にとっても負担になり、健全な関係を築く障害になります。まずは、「自分の孤独や不安に、誰かを使ってフタをしていないか?」を問い直してみることが必要です。
「必要とされたい」という気持ち自体は、誰にでもある自然な感情です。けれど、その気持ちが過剰になると、本当の自分や相手との関係性を見失ってしまう原因になり得ます。自分の中にあるこの気持ちの背景を深く理解し、それに振り回されない方法を見つけることが、より良い恋愛や婚活につながっていくのです。
第2章|“満たされたい”思考が、逆にご縁を遠ざける理由
婚活を続けていると、「私はこんなに頑張っているのに、どうしてうまくいかないの?」という気持ちに陥ることがあります。これは「満たされたい」という感情が強くなりすぎて、逆に良縁を遠ざけてしまっているサインかもしれません。
「私はこんなに頑張ってるのに」は、見返り前提になりやすい
婚活に真剣に取り組んでいる方ほど、「私はこんなに努力している」「こんなに頑張っている」という自負が生まれやすいものです。確かに、努力すること自体はとても素晴らしいこと。しかし、この「頑張っている」という気持ちが「だから報われて当然」という見返り前提の思考になってしまうと、関係性に歪みが生じてしまいます。
たとえば、自分から積極的に連絡をしたり、相手の趣味や興味に合わせて話題を用意したりと、相手のために一生懸命尽くしていると感じているとします。しかし、それに対して相手からの反応が薄かったり、感謝や評価が感じられなかったりすると、「なぜ私ばかり努力しているのに報われないの?」と落胆してしまうのです。これは、「努力した分だけ相手から返ってくるはずだ」という無意識の見返りを期待しているから起こる心理です。
相手の言動に依存しやすくなる
「満たされたい」という気持ちが強すぎると、自然と相手の行動や言葉に敏感になります。たとえば、LINEの返事が遅れるだけで「もう私に興味がないのかも」と不安になったり、相手が忙しくてデートの予定がずれただけで「自分は軽んじられている」と傷ついたりします。
このような状態になると、心がいつも相手に依存している状態になり、感情の起伏が激しくなってしまいます。こうした感情の揺れは、無意識のうちに相手にも伝わります。すると相手も居心地の悪さを感じるようになり、自然なコミュニケーションや良い関係性が築きにくくなるのです。
対等な関係ではなく、上下関係をつくってしまう
「満たされたい」気持ちが強いと、相手との関係が自然と上下関係になってしまいます。常に相手の評価を求め、相手に喜んでもらうことで自分の価値を測ろうとするため、無意識のうちに相手を上位に置き、自分を下位に位置づけてしまいます。
本来、結婚という関係は対等であり、お互いが支え合いながら成長していくものです。しかし、このように自分を下位に置いてしまうと、相手の顔色ばかりをうかがうようになり、自分の本当の気持ちや意見を言えなくなってしまいます。相手からすれば「何を考えているのかわからない」「自己主張がない」と感じ、徐々に関係が深まりにくくなってしまいます。
結果として“都合のいい関係”に誘導されてしまう
また、この「満たされたい」という思考が強すぎると、相手にとって「都合のいい人」になってしまうことがあります。「私が我慢すればうまくいく」「自分が尽くせば相手も気づいてくれるはず」と考えて、相手の要求を何でも受け入れてしまう傾向があるのです。
最初はそれでも関係がうまくいっているように感じるかもしれません。しかし、長期的に見ると自分が疲弊してしまったり、相手も「何でも受け入れてくれる人」としてしか見なくなり、結果的に本当の意味で大切にされなくなってしまいます。
このように、「満たされたい」という気持ちが強すぎると、結果的に良い縁から遠ざかってしまう可能性が高くなります。相手と健全な関係を築くためには、「頑張っている自分」に価値を置きすぎず、相手に過度に依存しない、自分の心を安定させることがとても重要なのです。
第3章|“誰かに必要とされたい”は本当に結婚で叶えるべき感情か?
婚活をしていると、「誰かに必要とされたい」という気持ちが強くなることがあります。それ自体は自然な感情であり、多くの人が共感できる願いでしょう。しかし、その感情を「結婚によって満たすべきもの」として強く意識しすぎると、本当の意味での幸せな結婚から遠ざかってしまうことがあります。
結婚は「埋めてもらうもの」ではない
婚活をしている中で、「自分の足りない部分や寂しさを相手に埋めてもらいたい」と考えてしまうことがあります。特に孤独感や自己肯定感の低さを感じている人ほど、無意識のうちに相手にその埋め合わせを求めがちです。
しかし、結婚は本来、自分自身の足りないものを他者に埋めてもらうものではありません。結婚は二人がそれぞれ自立した状態で、お互いの人生を支え合い、より豊かにしていくためのパートナーシップです。自分の欠落感を相手に埋めてもらうことを期待してしまうと、相手は常に自分の期待に応えることを求められる立場となり、次第に息苦しさを感じるようになってしまいます。
パートナーシップは“与え合う”ことの連続
本当に幸せなパートナーシップとは、一方が与えるだけ、一方が受け取るだけというアンバランスな関係ではありません。むしろ、お互いが自発的に「与え合う」関係こそが健全であり、継続的に幸せを感じられるものです。
例えば、日常のささいなことでも「ありがとう」と感謝の言葉を伝え合ったり、お互いの得意分野を尊重しながらサポートしたりすること。こうした小さな「与え合い」の積み重ねが、お互いに満足感や安心感をもたらし、結果としてお互いが満たされる関係性を築いていきます。
「必要とされたい」という気持ちが強すぎると、この「与え合う」関係が崩れてしまいがちです。自分が満たされることばかりに目が行ってしまい、相手への感謝や思いやりを忘れてしまうことがあります。そのため、自分自身が満たされていることを前提に、「相手に何を与えられるか」を考えることが大切になります。
幸せな人ほど「自分が必要か」より「一緒に幸せを育めるか」で考えている
実際に結婚生活がうまくいっている人を見てみると、「相手に必要とされるかどうか」を基準にしていることはほとんどありません。むしろ、「この人と一緒にどんな幸せを作っていけるだろうか」「お互いの人生をどのように豊かにできるだろうか」と考えています。
「必要とされること」ばかりにフォーカスすると、常に相手からの評価や承認を求める関係になりやすくなります。その結果、相手の一挙手一投足に一喜一憂し、自分自身が消耗してしまうことになりかねません。一方で、「一緒に幸せを育む」という視点を持つと、相手に過度に依存することなく、二人で協力して問題を乗り越えたり、楽しみを共有したりすることが自然とできるようになります。
“空っぽの自分”ではなく、“満たされた自分”同士が引き合う
真に良い縁を引き寄せるためには、まず自分自身が満たされていることが大切です。「自分が空っぽだから誰かに満たしてもらいたい」と考えているうちは、どうしても依存的な関係性になりやすく、本当の意味で満たされる関係を築くことが難しくなります。
一方で、自分自身が好きなことを楽しんだり、自分の時間を充実させたりと、自分を満たす努力をしている人は、自然と他者に依存しない健全な精神状態になります。そのような人同士が出会うと、互いに無理なく、自然体で良い関係を築くことができます。
「誰かに必要とされたい」という気持ちは人間の本質的な欲求ですが、それをすべて結婚やパートナーシップに求める必要はありません。まずは自分自身をしっかりと満たし、相手と共に幸福を築いていく視点を持つことが、長続きする幸せな結婚につながるのです。
第4章|自分の“軸”が整ったとき、恋愛も変わり始める
「誰かに必要とされたい」という欲求を持つこと自体は、ごく自然な感情です。ただ、その気持ちを恋愛や婚活だけで満たそうとすると、どうしても依存的になりがちです。本当に心が満たされる関係を築くためには、まずは自分自身の“軸”を整えることが重要になります。
“必要とされたい”欲を自分で満たす方法
自分を満たすためには、まず自己肯定感を高める必要があります。自己肯定感とは、「自分は自分のままで価値がある」と感じられる心の状態のことです。自己肯定感が高まると、誰かからの承認に過度に頼らず、自分自身で心を安定させることができます。
自己肯定感を高めるためには、日常生活の中で小さな成功体験を積み重ねることが有効です。たとえば、自分が興味を持った趣味や習い事に取り組んだり、小さな目標を設定して達成感を味わったりすることです。このような小さな自己達成感を積み重ねることで、「自分はこれでいいんだ」という感覚が自然と育ちます。
心の安心感は、恋愛以外でも育てられる
恋愛や結婚だけが心を満たす手段ではありません。趣味、友人関係、家族との関わり、仕事の充実など、様々な方面で心の安心感を育てることができます。たとえば、気の合う友人と定期的に過ごす時間を作ったり、趣味に没頭する時間を確保したりすることで、自然と心が落ち着いてきます。
また、自分が本当に好きなことに打ち込むことで、自己効力感(自分には物事をやり遂げる力があるという自信)が高まり、心の余裕が生まれます。この余裕こそが、健全な恋愛関係を築くための大切な土台になります。
承認されることではなく、「そのままで大丈夫」と思える感覚
承認欲求に振り回されると、他人の評価や視線が気になり、自分の本当の気持ちを見失いやすくなります。しかし、本来の自分を受け入れ、「そのままでも大丈夫」と感じられるようになると、自然体で他者と接することができるようになります。
この感覚を育てるためには、まず自分自身を客観的に見つめ直すことが大切です。完璧である必要はありません。弱さや欠点を受け入れ、自分に優しく接することを心がけるのです。他人の評価を気にしすぎず、自分のペースを尊重することで、少しずつ心の安定感が増していきます。
本当の意味で対等な関係を築けるのは、心が落ち着いたとき
「自分が相手に必要とされているかどうか」に過度にとらわれていると、相手との関係が不自然になりやすくなります。しかし、自分の心が落ち着いている状態であれば、相手に対して過度な期待をすることなく、お互いが自然な距離感で付き合うことができます。
対等な関係とは、お互いが依存することなく、互いを尊重し、受け入れ合える関係です。自分自身が満たされている状態であれば、相手にも無理な要求をせず、お互いの違いや個性を受け入れる余裕が生まれます。
心の軸が整ったとき、初めて本当に穏やかで充実した関係が築けるようになります。「誰かに必要とされたい」という気持ちを自分自身で満たすことで、より良い人間関係が自然と訪れるのです。
第5章|「満たされた自分」で始める、新しい恋愛とこれからの人生
恋愛や婚活を頑張ってきた方の多くは、つい「相手に認められたい」「誰かに必要とされたい」と願いがちです。これは人間の本能的な欲求であり、決して悪いことではありません。ただ、前章までで触れたように、その気持ちが強すぎると、どうしても自分を苦しめたり、ご縁を遠ざけてしまったりすることもあります。
自分の“軸”が整い、心が満たされた状態になったとき――
実はそのときこそが、本当に幸せな恋愛や新たなご縁を引き寄せるスタートラインなのです。
「選ばれる」から「選び合う」への転換
婚活の世界では「どうしたら選ばれるか」「自分は“いい人”に見えているか」といった視点に偏りがちですが、心の軸が整ったあなたは、もう“選ばれる”ことに執着しなくなります。それよりも、「私はどんな人と一緒に歩みたいか」「どんなパートナーと人生を築きたいか」という主体的な視点を持てるようになります。
自分が満たされていると、相手に無理に合わせたり、期待に応えようと頑張りすぎることがなくなります。「自分らしさ」を守りながらも、相手の個性や価値観も尊重できる。それこそが、“選ばれる”から“選び合う”へと変わる大きな転機です。
本当に幸せな関係は「与え合い」と「受け入れ合い」から
満たされた心で恋愛をすると、「相手が自分を満たしてくれるかどうか」ではなく、「自分は相手にどんな幸せを与えられるか」「二人でどんな幸せを育んでいけるか」という視点が強くなります。
これは、自己犠牲や“与えすぎ”になることとは違います。健全な自己肯定感を持ち、相手の個性や考え方を受け入れ、時には意見が食い違っても「違いをどう活かせるか」を考えられる柔軟性を持てるようになる――
そうした関係性こそが、人生の中で最も豊かで穏やかなパートナーシップを生み出します。
“素”の自分でいられる出会いが、長続きの秘訣
長続きするご縁には、「安心できる自分でいられるかどうか」が大きく関わっています。
自分の気持ちを隠したり、無理に合わせたりする必要のない関係――
それは、心の軸が整い、自分自身を大切にできるようになったときにこそ、自然と引き寄せられるものです。
「こんな自分じゃダメかも」と不安にならず、「このままの自分で大丈夫」と信じられる安心感。
それがあれば、たとえうまくいかない恋があっても、自分を責めず前向きに切り替えられますし、「無理に結婚しなきゃ」と焦ることも減ります。
恋愛以外の人生も豊かに
満たされた自分でいることは、恋愛だけでなく人生全体をより充実したものにしてくれます。趣味や仕事、友人関係、家族との時間――
さまざまな場面で「自分の人生を自分で楽しむ力」が高まることで、「恋愛だけが幸せの全てではない」と自然に思えるようになります。
その結果、恋愛や結婚に対する“執着”や“依存”も薄れ、「出会いがなければ不幸」「結婚しないと価値がない」といった呪縛から自由になれます。
「結婚=ゴール」ではなく、「より豊かに生きるための選択肢」
現代は結婚の形やパートナーシップの多様化が進み、「必ずしも結婚がゴールではない」と考える人も増えています。
満たされた自分であれば、「結婚する/しない」は自分の人生の選択肢の一つ。大事なのは「自分がどう生きたいか」を考え抜き、その意思を持った上で誰かと人生を歩むことです。
「私はこう生きたい」――
その想いに素直になり、自分の人生を楽しんでいる人ほど、結果的に素敵なご縁やパートナーを引き寄せやすくなります。
満たされた自分になることは、決して“わがまま”でも“自己中心的”なことではありません。
むしろ、「自分も大切に、相手も大切に」できる準備をしているということ。
恋愛も結婚も、その先に続く人生も、「今の自分」を認め、丁寧に育てることからすべてが始まります。
もし今、恋愛や婚活で悩んでいたり、繰り返し同じところでつまずいているなら、焦って結果を求める前に、ぜひ一度「自分自身と向き合う時間」を大切にしてみてください。
きっとそこから、あなただけの新しい幸せの形が見えてくるはずです。
第6章|“満たされた自分”が引き寄せる、本当のご縁と幸せ
人生や恋愛、婚活を通じて「誰かに必要とされたい」「認められたい」という気持ちは、私たちの心に自然に湧いてくるものです。しかし、その気持ちに振り回されすぎてしまうと、自分を見失ったり、相手との健全な関係を築けなくなったりします。
これまでの記事で何度も伝えてきたように、心の軸を整え、自分自身をきちんと満たすこと――
それこそが、恋愛や婚活で“本当のご縁”を引き寄せる最大のカギです。
「私は私のままでいい」と思える勇気
満たされた自分になるということは、「弱さがなくなる」ことではありません。
不安になることもあるし、誰かに頼りたくなる瞬間もあります。
それでも「今の自分で大丈夫」と思える心の安定感――
この感覚こそが、新しい一歩を踏み出す大きな味方になります。
自分を偽らずに、素直に気持ちを伝えられること。
自分の軸を持って、相手の個性も大切にできること。
そんなふうに人と関われる自分を目指していくことが、長い人生を豊かに彩ります。
出会いの質が変わる瞬間
自分自身をしっかり満たし、幸せを感じていると、不思議と“出会いの質”も変わってきます。
無理をして「好かれなきゃ」「選ばれなきゃ」と頑張っていた頃は、どこか窮屈で疲れやすかったかもしれません。でも、「自分はこのままでいい」と思えるようになると、自然体の自分を受け入れてくれる人や、同じ価値観を大切にできる人と出会う確率がぐっと高まります。
この変化は、見た目やスペックを磨くだけでは得られないものです。
自分を大切にできる人は、他人も大切にできる。
その土台があってこそ、二人の信頼や安らぎ、温かなつながりが生まれていきます。
幸せな結婚は“ゴール”ではなく、“日々続いていくもの”
結婚は人生の“ゴール”ではありません。本当の幸せは、結婚した後の日々をどう育んでいくか、互いにどんなふうに思いやりを重ねていくかにかかっています。
「結婚すればすべてがうまくいく」「誰かに必要とされさえすれば満たされる」――
そうした幻想を手放し、毎日の暮らしや会話、心の通い合いを大切にできるようになると、結婚生活はもっと穏やかで、深い満足感に満ちたものへと変わっていきます。
これからの自分にできること
最後に――
もし今、恋愛や婚活に迷ったり、心が折れそうになっているなら、まずは「自分自身を満たすこと」に目を向けてみてください。
小さなことでいいのです。
自分をねぎらい、楽しみ、日々を丁寧に過ごしてみてください。
それでも不安が消えなかったり、誰かと本音で話したくなったときは、信頼できる友人や専門家、カウンセラーなど、頼れる存在に相談するのも大切です。
「ひとりで全部頑張らなきゃいけない」なんて思わずに、あなたの人生のペースで、ゆっくり進んでください。
あなたへのエール
あなたの幸せは、他の誰かの価値観や「こうあるべき」に振り回されるものではありません。
「私はこれでいい」「私は自分の幸せを自分で選ぶ」と、堂々と胸を張って歩んでください。
そして、あなたが心から笑顔でいられる日々の中で、きっと素敵なご縁やかけがえのないパートナーに出会えるはずです。
焦らず、比べず、「今の自分」を大切に――。
その先に、本当に望んでいた“幸せな結婚”や“人生の豊かさ”が、きっと待っています。
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